遺産分割調停の手続き
ピックアップコラム
2024/7.3
遺産分割調停とは何か
“調停”と付くから裁判所絡みの何か、かなとは想像つくと思いますが、一体どんなことをするのでしょうか。
本来でしたら、遺産分割は相続人同士の話し合いで決めるものですが、感情が入ることもあり冷静な話し合いができなくなってしまうこともあります。また、お互いが相続分を譲らずに話が平行線をたどる事もあるでしょう。このように、当事者の話し合いで埒が明かなくなってしまって協議がまとまる可能性が著しく低くなってしまった場合などに家庭裁判所で遺産分割の方法を決めてもらう制度です。
裁判所で決めるといっても裁判ではないので、裁判官ではなく「調停員」という専門家に話し合いに入ってもらい、遺産やそれぞれの主張を客観的に聞いてもらいアドバイスを受け、落としどころを探っていくイメージです。そして、調停員の提示する内容に相続人皆が納得すれば遺産分割調停が成立します。
申立て
相手方の所在地を管轄する家庭裁判所または当事者が合意で決めた家庭裁判所です。
相手方は他の相続人全員です。
費用
被相続人1人につき印紙1,200円分
連絡用の郵便切手
必要な書類
申立書とその写し(相手方の人数分)
被相続人の出生から死亡までの戸籍謄本
相続人全員の戸籍謄本
相続人全員の住民票
遺産の証明書(不動産の登記簿、預金通帳の写し など)
※相続関係によっては追加の戸籍等が必要な場合があります。
メリット
・法律に詳しい専門
・トラブルになっている他の相続人と直接話すことがありません。相続人は一人ずつ順番に調停員と話をするので、相続人同士言い合いになることはありません。家が関わるので、法律に沿った解決をすることが期待できます。
デメリット
・時間、費用がかかります。調停は相続人の意見を一人一人順に聞いていきます。1回の話し合いでは終わらなければ、半年、1年かかることも珍しくありません。費用はご自身で手続きする場合は人数にもよりますが、数千円~で済むのですが、弁護士等代理人を立てるとその分弁護士費用がかかります。
・自分の意見が通るとは限りません。調停員はあなたの言い分を相手方に説得してもらうのが仕事ではありませんので、相手方の言い分を飲まなければならないこともあります。
遺産分割調停が成立しなかったら
遺産分割調停は相続人全員が合意しなければ成立しません。しかし、話し合いがまとまらず、調停が成立しなかった場合でもその後、“審判“手続きになり、調停の段階で提出された資料や当事者の発言内容、そして審判手続の資料や調査官の調査結果などをもとに、どのように遺産を分割すべきかという判断を裁判官が下します。
遺産分割調停には相続人が多数いた場合でも全員の関与が必要になります。中には被相続人と生前関りがない人のいるでしょう。そういった方は遺産もいらない代わりに遺産分割にも関わりたくないといった考えの人もいます。そのような方は「相続分の譲渡」や「相続分の放棄」をして相続関係から抜けるのも一つの方法です。