遺言書について~自筆証書遺言

ピックアップコラム

2024/6.19

自筆証書遺言

遺言にはいくつかの方式があります。よく使われるのは自筆証書遺言と公正証書遺言の2種類です。作成にはそれぞれルールがありますが、前提としてどちらも判断能力のあるうちにしないといけません。認知症等で判断能力が衰えると遺言自体ができなくなる可能性があります。

まずは自筆証書遺言について書いていきます。自筆証書遺言にはこの条件を満たしていないと無効になるといったルールがあります。(要件といいます。)その要件を見ていきましょう。

自筆証書遺言の要件

①遺言者本人が自筆で全文を書く

遺言者本人が手書きで全文を書きます。 パソコンで書いたものや代筆は無効になります。これは筆跡により、第三者による不正や偽造を防ぐためのものです。※財産目録についてはパソコンで作成したものや通帳のコピーや土地の登記事項証明書を添付してもよくなりました。

このことから、手が不自由な方は自筆証書遺言に向いてなく公正証書遺言のを検討することになります。

 

②作成した日付を自筆で書く

遺言書を作成した日付を「令和6年3月22日」等と正確に書きましょう。吉日のように日付が特定されていないと無効になります。

これは複数の遺言書が見つかった場合、内容に相違があれば日付が新しいものが有効とされるからです。自筆なのは①と同じ理由です。

 

③氏名を自筆で書く

戸籍の通りフルネームで正確に書きましょう。自筆なのは①と同じ理由です。

より正確に人物を特定するため、名前の前に住所を入れるのが望ましいでしょう。

 

④印鑑を押す

名前の後に印鑑を押します。印鑑は認印でも構いませんが、印鑑が不明瞭にならないようにしましょう。印鑑がない場合は遺言書が無効になります。

 

遺言者の死後は遺言書を家庭裁判所で検認手続きをしないといけません。検認手続きとは相続人に対し遺言書の存在や内容を知らせ、遺言書の形状、日付、署名など遺言書の内容を明確にし、それ以降の偽造や改ざんを防止する手続きです。遺言書に封がされており、検認手続きをする前に開封してしまうと、5万円以下の過料に処される可能性があるので注意しましょう。

次に自筆証書遺言のメリットとデメリットについて見ていきましょう。

 

自筆証書遺言のメリット

紙と筆記用具があれば遺言者はいつでもどこでも作れます。判も実印が望ましいですが、指印でも可能です。費用が掛からないのも大きなメリットです。

自筆証書遺言のデメリット

法律の要件を満たしていないと無効になってしまいます。また、遺言そのものは無効にならなくとも、書き方が曖昧だと登記や預貯金の手続きに使えない可能性もあります。もう一つの大きなデメリットが、紛失や改ざんの可能性があることです。遺言書の保管が遺言者に委ねられるので、偶然遺言書を発見した相続人が自分に不利な内容であることを知ってしまうと隠されてしまう恐れや、発見される頃には遺産分割が終わっていたなんてこともあるでしょう。

※自筆証書遺言を法務局に預けることができる制度もあります。この制度を使えば紛失や改ざんのリスクは避けられるでしょう。詳しくは自筆証書遺言保管制度のページ(https://a-watanabe-shoshi.com/%e8%87%aa%e7%ad%86%e8%a8%bc%e6%9b%b8%e9%81%ba%e8%a8%80%e6%9b%b8%e4%bf%9d%e7%ae%a1%e5%88%b6%e5%ba%a6/)に。

 

次回、公正証書遺言です。